プロポリス、この名の語源はギリシャ語からきています。プロポリスの「プロ」はプロップ(支柱)というラテン語から、「ポリス」は都市をさすギリシャ語で、プロポリスは「蜂の都市を支える柱」といった合成語になっていったようです。
プロポリスの名で呼ばれるようになったのは、17世紀以降のことで、それ以前はプロポリスのことを「マミイ」と呼んでいたようです。「マミイ」とはミイラをさす言葉です。
プロポリスの効能や効果は、古代ギリシャの頃からすでに知られていたようです。その名も有名なアリストテレスも「動物誌」の中で、皮膚疾患、切り傷、感染症にプロポリスが効果をあらわす旨、記載しています。また、ローマのプリニウスも「博物誌」の中で、体内に入った棘の摘出や神経症、皮膚病にプロポリスが有効であると記載しています。他の文献にも、プロポリスは腫瘍、炎症、発毛などにも使われていたとあります。
プロポリスは古代エジプトでも、その防腐効果を利用してミイラ作りに利用されていたと考えられています。さらに、古代インカ帝国、アラビアなどでも、プロポリスは薬として使用されていたようです。
時が流れ、18~19世紀頃になると、プロポリスは外傷のための治療薬として使用されました。イギリスと南アフリカのボーア戦争では、アルコール抽出のプロポリス液をワセリンに混ぜて、プロポリスワセリンとして兵士の外傷の治療に用いていました。しかし、その後の西洋医学の進歩によって、ペニシリンなどの抗生物質が開発され広く利用されるようになると、一時プロポリスの存在は忘れられていました。
しかし、抗生物質は大変有用である反面、人体にとっては異物であるため、その使用による副作用や、抗生物質に抵抗力を持つ耐性菌の出現を招き、さらに近年になって抗生物質の乱用が問題化するにあたたって、忘れ去られていた、天然の抗生物質とも呼ばれるプロポリスの安全性や効果、効能が見直されてきているというのが現状です。
ブラジルなどでは、プロポリスは薬局ならどこでも変えるほど、ポピュラーな民間薬として知られていますし、欧米諸国では医療薬としてプロポリスを使用している国も多くあります。また民間療法としては、プロポリスを、やけど・にきび・イボ・シミ・帯状疱疹に塗布するなど広く利用されています。実際めざましい回復をする例が後を絶たないようです。